【オッカムの剃刀】の使い方を知って論文に役立てよう。

オッカムの剃刀哲学

オッカムの剃刀」という言葉を聞いたことがありませんか?
この用語は哲学用語なのですが、哲学以外にものごとを論理的に説明するときに役立ちます。
オッカムは論証能力がとても高く、他の人から「無敵博士」と呼ばれていたそうです。
(哲学用語図鑑 田中正人 2015 参照)

どう役立つのかな?

「オッカムの剃刀」の意味

オッカムの剃刀」の意味は「説明はできるだけ単純であった方がいいという考え」です。

オッカム
オッカム

必要が無いなら多くのものを定立してはならない。

例えば、神についての議論がたくさんあるのに、「神はこう言う」という文を他を説明する時に挟むだけで、それを聞く相手の頭が混乱してしまうということです。

「オッカムの剃刀」の考え方は、私が認識できるものを探求していくという、デカルトの考えにつながっていきます。

「オッカムの剃刀」の成り立ちを見てから、使用例も見ていきます。

「オッカムの剃刀」の成り立ち

オッカムの剃刀」は普遍論争から出てきました。
意味は「普遍が実在するかどうかという中世神学の論争」です。

「普遍は存在するvsしない」という論争だね!

この論争にオッカムは唯名論を唱えました。
つまり、普遍は存在しないと考えました

普遍実在論と唯名論の比較

例えば、「動物」という普遍は存在するのかを見ていきます。

動物という言葉には、哺乳類、家畜、ペット、といった言葉を含めます。

細かく言えば、猫や犬とか個々のものも含まれているよね。

すると、疑問になってきます。
そのような「動物」という普遍は存在するのでしょうか?

普遍実在論では、「動物」という普遍がまず存在し、個々は「動物」があってはじめて成立します。
唯名論では、タロー、花子、シロなどの個々が存在するだけで、「動物」というくくりは私たちが考えた言葉にすぎないと考えます。



中世のその頃、「哲学は神学のはしため」と言われてきました。
オッカムは哲学から神学を剃刀でそり落とし、学問としての哲学に焦点をあてました。

普遍論争は決着がついたわけではありません。
「オッカムの剃刀」はものごとを論理的に説明する際に、普遍と個別を切り離します。「普遍」を否定してはいません。

そもそも、この論は剃刀で切りとる「普遍」を取り扱っているよね。

学問としての哲学に話を戻します。

オッカム
オッカム

人間が後から考えた言葉は、そもそも自然界に存在しない。
私は「動物」という普遍の実在は認めない。

つまり、オッカムは私が認識できるものだけを探求すればいいと言います。
統計学や機械学習の分野では、この考え方が利用されています。

ちなみに、普遍実在論と唯名論が争っていた理由は、教会にとって大きな問題を含んでいたからでした。

普遍実在論と唯名論が争う理由


キリスト教では、最初の人類であるアダムの罪を私たちが「原罪」として背負っています。
けれど、オッカムの言うように普遍が存在しなかったら、私たちは「原罪」を背負う必要はありません。
教会は「原罪」から私たちを救っているので、教会の必要性がなくなります。

オッカム
唯名論者

「原罪」を背負う必要はない。


そして、これは昔の話ではありません。

昔の人は戦争で悪い事してたっていうけど、私はそんなことしてないよ。

人は自然にひどいこともしているけど、私はしてないからいいって言えるのかな?

このように、今でも普遍実在論と唯名論の立場があります。

「オッカムの剃刀」を使ってみよう


オッカムの剃刀」を使うとどのくらいわかりやすくなるのかを見ていきます。

例をあげていきます。

高校生
高校生

ふつう、日本人はお米だよね。

日本人のお米の消費量は年間〇〇。
よって、日本人は他国よりお米を食べる率が高い。

えっ、カレーにソースかけるの?
普通はかけないよー。

カレーにソースをかける割合は〇〇パーセントある。
よって、一般的ではない。(もしくは、一般的)

このように、 普通はとか、一般的には、ということへの詳細を具体的にして言うと、説明がわかりやすくなります。


そして、神秘的なことへの議論もみていきます。

こびとっていると思うよ!

こういわれると、難しいなぁ。私は見たことがないんだよね。
でも、否定はしないし、私もわからない。
どうやって説明したらいいんだろう。


このように、神秘的なことは説明が難しくなります。
なので、その言葉を使って説明しなくてもいい場合は、その言葉を剃ぎおとします。

あっ!こびとの桃ちゃんここにいる。
桃ちゃんに自分を語ってもらおう。

唯名論者に説明するには、こうするのが一番です。

「オッカムの剃刀」まとめ


オッカムの剃刀」は合理的にものごとを考えるきっかけになりました。
成り立ちは普遍実在論と唯名論の「普遍論争」です。
今でも、わかりやすさを論文に求めるときに、この考え方をすると伝わりやすくなります。

論文でも、その論に必要のないことをばっさり切り落とすと、読む人にとってはわかりやすいよね。

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