SNS社会の問題点ーマルクス・ガブリエルと哲学する。

SNS社会の問題点哲学

SNS社会の問題点とは何でしょうか。
私たちは日常的にインターネットを介して人間関係を構築するようになりました。

そこにはどのような問題点があるのか、知りたくなりませんか。
その問題点をマルクス・ガブリエルの見解から見ていきます。
哲学が現代の問題とつながると、哲学を学ぶ意味は見つけやすくなります。

SNS社会の問題点とは

SNS社会の問題点を、マルクス・ガブリエルの発言から見ていきます。
マルクス・ガブリエル欲望の時代を哲学するⅡ 2019 参照)

①SNS社会では自分を超越した何かと同化しようとする。

②しかし、SNS社会は人間の自由の心臓部を破壊することなく攻撃する。

他のSNSでの問題点も取り上げていましたが、今回はこの2つを取り上げていきます。

SNS社会では自分を超越した何かと同化しようとする

自分を超越した何かと同化しようとするとはどのようなことなのか。
詳しく見ていきます。

高校生

①さて、ツイッターに何を投稿しよう。

高校生

②本当のことを書いたら炎上するかもしれない。
不快に思う人もいるからこう書いておこう。

まず①から見ていきます。
私たちはツイッターに投稿する前に、何を投稿しようか考えます。
その内容として、見て欲しい自己イメージを投稿します。
ツイッターは、あなたが自己イメージを表現できるプラットフォームを提供しているからです。

②その中で、理想の自分や、理想の行動をデータとして送ります。
SNSはあなたのデータを知ることで、あなたにとって好ましいものを提供するようになります。
そして私たちは気がつかないうちに、自分を超越する何かと同化しようとします
自分で言葉にして宣言すると、それを無意識でもやるようになると心理学本ではよく書かれています。
マルクス・ガブリエルは現代なら超越する何かはグーグルだと言います。

これは、宗教の構造と似ています。
自分にとっての理想をイメージし、それに同化していきます。
周りの環境もそれを助けてくれます。

自分で決定するという自由意志が存在するがゆえに、それに同化しようとするし、消費もしようとするとマルクス・ガブリエルは言います。

自由意志が気になった方はこちら。
>>自由意志のパラドックスはこちら

これは捉え方によっては悪い事ではないのかもしれません。
世界には数多くの宗教が存在しています。
しかし、次をみていきます。

SNS社会は人間の自由の心臓部を破壊することなく攻撃する

また発言から見ていきましょう。

高校生

③この人の発言には反対。
でも、言っても仕方がないか。

③実際の私は意見に反対をします。
現実ならば、私たちは民主主義社会に住んでいるので裁判をすることができます。
しかし、オンライン上では国家に発言権がありません。
オンライン上は民主主義社会ではない、ということです。

起こるものとしては、炎上と言われるたくさんの反対意見が書き込まれるだけです。
ただ不一致のデータを提供します。
不一致が当たり前のものとして存在するようになります
すると、私は自分が何を言っても世界が変わらないと思うようになります。

マルクス・ガブリエルは民主主義とは、「自由意志を欲する自由意志」だと言います
それほど、民主主義が大事だということです。

次の章で、マルクス・ガブリエルがなぜこんなにも危機感をつのらせているのか。
民主主義の哲学をみていくことで詳細をみていきます。

SNS社会の問題点と民主主義の哲学をみていく

SNS社会の問題点を見てきました。
その最大の問題点は、民主主義社会ではない、ということです。
そこから見られる問題点は人間の歴史の中にあります。

①社会契約説

②性善説

③性悪説

この3つの説を見ていくことで、民主主義を見ていきます。

社会契約説

なぜ社会契約説を取り上げたかというと、このルソーの社会契約説が民主主義社会になるきっかけになっているからです。

>>ルソーの社会契約説はこちら

今までは絶対王政の制度だったのですが、この社会契約説がきっかけになって民主主義に移りました
絶対王政では不平等が基礎になっていました。
絶対王政が悪だから倒された、とイメージすればわかりやすくなります。

では、グーグルはどうなのでしょうか?

SNS社会のプラットホームは一企業です
企業なので、利益を得るために仕事をしています。
その利益を得る企業を私たちは神のようにあがめています。

この企業というのは事実です。
しかし、グーグルの社表には「デビルにならない」とかかげられているそうです

確かに、絶対王政のような不平等をあからさまには示していません。
なので、善い王政をしいた中国の哲学を見ていくことにします。

性善説

中国哲学の性善説が説かれた社会は、社会契約説に通じる部分があると哲学と宗教全史に書かれていました。

性善説とは「人は生まれながらにして善である」という教えです。

その中で、性善説を説いた孟子は「天の意思は民衆の声に現れるので、人民中心の政治をすべきだ」と述べました。(続 哲学用語図鑑 参照)
王を置きつつも人が善であり、それを伸ばしていくので、王も徳を兼ね備えた人物でなければいけないと説きました。
徳を兼ね備えていなければ、革命によって王が変わるといいます。

孟子は誰を対象として性善説を説いたかというと、自分と同じインテリである識字階級です。
もともと賢いのだから、自分で努力して学べばもっと良くなると説きました。

SNS社会のトップであるグーグルをみていきましょう。
グーグルに入るのはとても難しいと言われています。
トップの頭脳を持った集団であることは間違いがありません。
そして、社表から悪にならないことが意思表明されています。

そしてSNSを扱う私たちもみていきます。
SNS社会にいることは、ある一定の知識を身に付けています。
性善説にたって、グーグルを信じるというスタンスにも立てます。

性善説というと、反対の性悪説がでてきます。
そちらも見ていきましょう。

性悪説

性悪説とは、「人は生まれながらにして悪である」という荀子の説です

荀子が説いた対象は文字が読めない民衆が対象です。
字の読めない人に対し、半ば拘束して勉強させる仕組みをつくることを説きました。

そして、天(神)の力を否定します。
天は単なる自然現象だと荀子はいいます

言い換えれば、グーグルは天ではなくても、一企業だということです。
ただの一企業の域は超えていますが。

そして、荀子は神を信じないが故、社会規範としての礼を立てます
今でいう法律やルールで社会を安定させるということです。
こののちに出てくる法家は、完全な文書化された法が必要なことを説きます。

法家は国が大きくなると人によって常識が異なるので、法が必要だと言いました。
法に従えば、民衆の心の中までは関与しないと説きます。

人によって見方や常識が違うという見解はマルクス・ガブリエルの見解と一致します。
違うからこそ、法律をたてます。

3つの見方のまとめ

民主主義獲得の哲学の歴史をみてきました。
マルクス・ガブリエルは一人一人の人間をまっすぐに見つめる人です。
意味の場を説いた彼の哲学からもうかがえます。

>>マルクス・ガブリエル「意味の場」をわかりやすく解説

マルクス・ガブリエルは、際限のない消費は悪だと言います
これは、SNS世界にいつつも納得のいかないことがあることを指します。

マルクス・ガブリエル
マルクス・ガブリエル

自由であるということは、自由に間違ったことをする。

マルクス・ガブリエル

未来の人間を含めて、人々が協調する空間を増やそう。


「未来の自由」のために、現在の善悪を見極めることは今後の課題にもなります。
そして、私たちは今どんな時代にいるのかを見るのに、哲学は役に立ちます。

SNS社会の問題点ーまとめ

SNS社会の問題点は、自分が超越した何かと同化しようとする宗教化
さらには、そこに民主主義がないことによる人間性の破壊がでてきました。

その民主主義の哲学をみるために、社会契約説、性善説、性悪説を見てきました。

マルクス・ガブリエルは何が現在の善悪かを見極めるには、「未来の自由」を思い描く必要があると言います。

無意識だったSNS社会を意識化するのも考えが広まるね。

マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する2 自由と闘争のパラドックスを越えて …

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