「ホッブズ」社会契約説のストーリーをたどる

ホッブズ「社会契約説」哲学

ホッブズ」(1588~1679)は社会契約説をはじめに説いた人だと言われています。

ホッブズ
ホッブズ

国王はリヴァイアサン(海の怪物)のようであれ!

ホッブズは人間をどうとらえ、社会を営んでいくためには何が必要だと説いたのでしょうか。
世界が病気や戦争などで混乱状態になったときに、このような基本に立ちかえってみるのは価値があります。

今の社会情勢にぴったり!

「ホッブズ」社会契約説の成り立ち

ホッブズ社会契約説の成り立ちを見ていきます。
近世では、国王の権限は神に与えられたものでした。

王様は神に由来する!

この理論の支えを王権神授説と言います。
人民は国王に服従しなければいけませんでした。

しかし、時代は進みこのような考えを持ちます。

私は自由な独立した個人だ。
自由な個人としての権利がある。

この考え方に対して、ホッブズはこう考えます。

ホッブズ
ホッブズ

個人は認めるけど、それだと闘争になる。

このように考え、ホッブズは新しい社会秩序を、社会契約説として述べました。

個人と社会の関係を考えたんだね。

それでも、個人の権利は昔から考えられてきました。
それは、ストア派の自然権の考え方です。

自然権?

ストア派の考え方

古代ギリシャでは、小さな共同体に分かれて暮らしていました。
けれど、アレクサンドロス大王が帝国を作り上げると、小さな共同体の区切りがなくなりました。

おじいさん
市民

不安だ。
仲間がいなくなってしまった。

小さな共同体に自分たちのアイデンティティを持っていた人々は不安になります。
例えれば、家族がなくなってしまうようなもの。

この不安を取り除くためにキプロスのゼノン(BC335-263)がストア派を創始しました
ストア派の考えでは人がもつ自然権を認めています。
自然権を説明していきます。

もっと食べたい!

高校生
 

もっと休みたい!

もっと女の子にもてたい!

このような人間の欲望があるに違いないと仮定したものを自然権といいます。
自然権とは快楽を求め、苦痛を避け、自己の生命活動を維持する権利です。(哲学用語事典)
この考え方では、人間に普遍的な法則が存在することを認めています。

ここで自然権が登場するのですが、ストア派では個人の幸福を追求する方向に向かいました。
人間はみんな等しく平等であると考えたのです。

自然権をどう考えるかで違うんだね。

ホッブズは、人間が自然権を持つ自然状態を考察しました。

(ちなみに、ストア派のゼノンはソクラテスのことが書かれている著書に感銘を受けて哲学の道に進んだそうです。)

ホッブズ「自然状態」とは

「ホッブズ」自然状態とは、権威が存在しない状態を言います。(哲学用語事典)
ホッブズの前提として、人間の自然権を認めた上で、

ホッブズ
ホッブズ

人間は人間に対して狼だ!

ホッブズはこのように考えました。

犬

ドイツの30年戦争があったよ。
狼と言えば、騙しあって戦うイメージだね。

人を狼だと考えたホッブズは人間の自然状態を「万人の万人に対する闘争」の状態だと捉えました。

ここから、人権の保障と、国家の平和と安全をホッブズは考えていきます。
ホッブズは人間の能力は、個人間では大差のないものだとしました。


そして、能力に差がないから、決着がつかないと考えたのです。

ホッブズ
ホッブズ

どうしたら争いを避けられるだろうか。

「ホッブズ」社会契約説「リヴァイアサン」とは

ホッブズ社会契約説では、「万人の万人にたいする闘争」の状態を避けるために国家を設置しました
人が狼だと認めた上で、人々が国と契約して、その力を王様に譲るという説を考えました。
その王様は「リヴァイアサン」(海の怪獣)のような強い力を持つべきだとしたのです。

リヴァイアサン?

リヴァイアサン
リヴァイアサン

こんなイメージ!
右手に剣、左手に笏をかざして君臨する王様。
体は見えないけど、無数の国民から成り立っているよ。

怖い。

国民は契約から、リヴァイアサンに絶対服従をします。
契約を守らない人は、リヴァイアサンによって処罰されます。

このような仕組みを作れば、神を持ち出さずに社会秩序を保てると考えました。

ホッブズのリヴァイアサンは無神論として批判されました。
しかし、国家の仕組みとしては絶対王政を認めるものになってしまいました

恐怖政治。

「ホッブズ」社会契約説まとめ

・「ホッブズ社会契約説では、人民は国家の命令に絶対服従することを説きました。
・個人に自然権があることを認めています。
・自然権がある自然状態は、「万人の万人に対する闘争」状態だと考えました。
・王権と神様の存在は切り離しましたが、絶対王政を認めるものになりました。
リヴァイアサンという絶対服従による統治です。

命令に背くと銃で撃つと脅したり、危険な動物で市民を脅したりするのは、今でもあるよね。

参考文献「新 倫理 清水書院 平成9年」「哲学用語事典 小川仁志 2019」「哲学用語図鑑 田中正人 2019」
「哲学と宗教全史 出口治明 2019」

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